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“除菌”に関する12の真実:こらからの時代に求められるサステナブルな除菌方法とは

更新日:2023年7月18日


長引くコロナ禍において“除菌”は生活の一部として欠かせないものとなりました。

しかしながらこの“除菌”には、まだあまり知られていない弊害と効果に関する課題が多くあります。

今回は、原状の化学薬品を使用した除菌方法の問題点と、善玉菌を活用したサステナブルな衛生管理方法に関する「12の真実」をご紹介致します。

是非、人や環境に優しい除菌方法としてご活用ください。



Q1:「除菌」「殺菌」「抗菌」は病原菌と善玉菌の処理を区別できますか?

 

「除菌」とは対象物に付着している菌を除去することです。また、「殺菌」は微生物を殺し減少させることを言います。 一方、「抗菌」とは、菌が住みにくい環境をあらかじめつくることで菌の繁殖を抑制することを意味します。 いずれにしても、対象となる菌の種類や数を問わないため、「除菌」「殺菌」「抗菌」により病原菌だけでなく、善玉菌も環境から排除している可能性が非常に高くなります。



Q2:従来の“除菌”のメカニズムとは?

 

従来の除菌は、化学薬品を使用した除菌処理でした。この方法ですと、善玉菌と病原菌の区別なく菌が対象物から除去されます。



Q3:化学薬品を使用した除菌の効果はどのくらい持続しますか?

 

化学薬品で除菌処理をした対象物は一般的に30分継続すると言われています。よって、除菌効果を保つためには、一日に何度も除菌処理をする必要があります。 よって、化学薬品を使用した除菌処理には、環境や健康への影響が懸念されています。



Q4:除菌後は、無菌状態になりますか。

 

除菌後は、ほぼ無菌状態になります。しかしながら、化学薬品でも処理できなかった強い病原菌が残ります。強い病原菌は増殖力も強いため、何も処理しないでいると、3時間後には除菌処理前よりも増加します。





Q5:除菌しているのに、なぜ黒ずみやヌメリが蓄積されるのですか?

 

黒ずみやヌメリは、バイオフィルムと呼ばれる病原菌の巣です。微生物が生成する多糖体、タンパク質、細胞外DNAなどで構成されています。

実は化学薬品で除菌された対象物上には、菌の死骸が残り、それがバイオフィルムの構成要素なり、除菌処理をすればするほど、黒ずみやヌメリが形成さるという悪循環を生み出しているのです。


【例】化学薬品による継続的な清掃で黒ずんだタイル

・タイルの表面に膜(バイオフィルム)ができていてくすんだ状態

・タイルとタイルの間に黒ずみがある




Q6:除菌剤に対して、病原菌はどのようにして耐性を持つようになるのですか?

 

表面に付着した複数の微生物は、互いに影響を及ぼし合う共同体へと段階を経て成長して行きます。第一段階として、微生物はマイクロコロニーと呼ばれる集落を形成します。そして次に、マイクロコロニー内の微生物は集落全体を守るための外膜を形成します。このバリア機能を果たす膜は、バイオフィルムマトリクスと呼ばれ、バィルムフィルムマトリクスが完成され、環境が安定化すると、その内部にいる複数の微生物達は互いに影響を及ぼしあい、栄養源を融通し合い、やがて薬剤・抗生物質などに耐性を持つようになります。






Q7:なぜバイオフィルム内の菌の除去は困難なのですか?

 

バイオフィルムは外界から微生物を守るバリアのような役割を果たします。そのため、化学薬品を使用して除菌をしても、バイオフィルムを分解することができない限り、内部に潜む菌に影響を与えることができません。 しかも、バイオフィルム内の環境は、特に病原菌にとって、理想的な環境を提供します。



Q8:病原菌だけを“除菌”する方法はありますか?

 

先にお伝えしたように化学薬品による除菌処理では、良い菌も悪い菌も区別なく除去してしまいます。そこで近年注目されているのが、善玉菌の力を活用して悪玉菌のみ除菌するという処理方法です。

これは、多くの方に馴染みのある「腸内の善玉菌を増やすことで悪玉菌を抑制し、健康的な腸内フローラを形成する」という考え方と同じです。つまり、善玉菌を含んだ除菌剤で対称面を処理をすることで、悪玉菌のみ除去するという方法です。



Q9:腸内だけでなく、除菌においても善玉菌の活用が注目されるようになったのはなぜですか?

 

腸内は一定の湿度と温度に保たれているため、供給された善玉菌が安定した状態で定着しやすいと言われています。そのため、腸内フローラを整える製品は効果が得られやすく、早くから受け入れられていました。

しかしながら、タイル、机、椅子などの乾いた表面では、温度や湿度の変化が激しいため、乳酸菌のような環境の変化に弱い善玉菌は生きることができません。また、善玉菌を長期間生きたまま薬剤として保存する技術もありませんでした。

ところが、欧米における最先端のバイオ研究により、納豆菌などの仲間であるバチルス菌が除菌剤として有効であることが証明されました。また同じバチルス菌のグループでも、異なった温度や湿度で活性化するという特性があることが分かり、それらを数種類組み合わせて処理することで、環境に左右されずに除菌効果が得られる*ことが明らかになりました。




Q10:善玉菌による悪玉菌除菌の効果はどのくらい継続しますか?

 

化学薬品による除菌は、30分しか効果が継続しないため、頻度高く処理をする必要があります。しかも、使えば使うほど菌が薬剤に対して耐性を持ち衛生管理が困難になるという問題がありました。

しかしながら、善玉菌を活用した悪玉菌の駆逐は、洗浄すればするほど、効果が現れるという結果が得られました。


【例】イタリアのフェラーラィシサーナ病院での実験

4カ月間、善玉菌を含んだ洗浄剤で清掃したところ、院内感染の原因となる主要な病原菌を除菌することができました。



また、善玉菌を含んだ洗浄剤で処理した表面には製品に含まれているバチルス菌が定着・繁殖し、悪玉菌が駆逐されました。




・従来の化学系洗浄剤

洗浄後、時間の経過と共に空間フローラが乱れた状態となった。

・善玉菌を含んだ洗浄剤​

洗浄直後から製品に含まれる善玉菌が優位な状態となり、時間の経過と共に善玉菌が活性化することで一時間後には、善玉菌が約96%を占める空間フローラが形成された。



Q11:善玉菌はバイオフィルムを除去することができますか?

 

善玉菌が代謝をすることで生成される酵素は、バイオフィルムを分解する力があります。更に、善玉菌は分解されたバイオフィルムをエサとして、代謝をし、更に増殖します。

実際、米国マイアミにあるユダヤ教病院で、善玉菌を含んだ洗浄剤でトイレの床を3カ月間清掃したところ、以下のような目でも確認できる結果が得られました。


【化学系洗浄剤で清掃していた時】

  タイルにバイオフィルムが形成されてくすんだ状態




【3ケ月間善玉菌洗浄を継続した結果】

  くすみの原因となっていたバイオフィルムが除去されタイル本来の色が見える状態になった 



Q12:なぜ善玉菌を活用した悪玉菌の除菌はサステナブルなのですか?

 

上記にもご説明致しましたが、まとめますと、化学薬品を使用した除菌には、継続して使用すればするほど、以下の問題が深刻化するという問題がありました。


【従来の化学薬品を使用した除菌方法の問題点】

・除菌効果が30分程度しか継続しないため、頻繁に除菌する必要がある⇒薬剤の大量使用による環境への影響

・除菌剤で死滅した菌が病原菌を守る膜であるバイオフィルムを形成する

・形成されたバイオフィルム内の病原菌は除去が困難になる

・病原菌が薬剤に対して耐性を持ち、更に強い化学薬品を使用しないといけないという悪循環が起きる。


それに対して、善玉菌を活用した悪玉菌は以下のようなメリットがあります。


【善玉菌を活用した衛生管理のメリット】

・善玉菌を含んだ洗浄剤は使えば使うほど悪玉菌のみを除菌できる。

・処理した表面に善玉菌が定着するので、悪玉菌が繁殖できず、除菌効果が持続する。

・善玉菌が表面に付着することでバイオフィルムの形成を抑制できる。

・既存のバイオフィルムを善玉菌の生成した酵素で分解・除去できる。

・本来、環境が持つ自然治癒力を活用した衛生管理⇒悪玉菌の薬剤に対する耐性遺伝子が軽減できる。(薬剤耐性菌の軽減)

・善玉菌によって衛生管理が行われている空間は、人の健康や環境にも良い影響を及ぼす。



 

薬剤耐性菌が増えると、これまで抗生物質を飲めば治っていた感染症が治りにくくなるという弊害が起きます。実際、薬剤耐性菌は既に世界的な問題になっており、年間70万人が死亡していると言われています。

今後、善玉菌による衛生管理は、薬剤耐性菌問題を解決するサステナブルな除菌方法として期待されています。

(参照元:茨城県「薬剤耐性菌って知ってますか?」2022年2月)



 

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