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微生物のチカラとは?善玉菌が活躍する多様な場面をご紹介!

 ヒトの免疫力にプラスに働くことで注目されている❝善玉菌❞。善玉菌が活きた微生物であるということをご存知の方も多いかと思います。ですが地球上にいる微生物の種類数は、実はその分野の第一人者でさえ未だ把握しきれていません。所説ありますが、微生物は1兆種類近くあると言われており、まだ発見されていない善玉菌も星の数ほどあると言われています。

 このように未知の可能性を秘めた多種多様な善玉菌の活用が現在、食品だけでなく、様々な分野で進められています。今回のコラムでは、このような微生物のチカラを活かした最先端の事例をご紹介致します。



プラスチックを分解する力を持つ微生物による廃棄物削減

 

 過去わずか70年間ほどの間で200倍近く増加したと言われているプレスチックの生産量。海に大量に流入するプラスチックの94%が海底に蓄積されていると言われており、海洋生態系に悪影響を与えているのは周知の通りです。その一方で、近年プレスチック汚染に対して自然の治癒力が起きていることが発見されました。それは、世界各地におけるプラスチックを分解する酵素を生成する微生物の誕生です。環境の変化に伴い、微生物も変化したのです。  しかも、地中海や南太平洋などプラスチック汚染が深刻な場所にほど、そのようなチカラを持った微生物とその種類が多いことが明らかになり、その研究が急速に進みました。 そして今年4月、カルフォルニア大学の研究者等が、微生物のチカラを活かした生分解性のプラスチック開発に成功しました。プラスチックに納豆菌の仲間であるバチルス菌の胞子が組み込まれており、プラスチックを使用時は、休眠状態にあるバチルス菌が、廃棄され土壌に触れたると目覚めて、プラスチックの急速な分解が促進されます。 今後、地球規模のプラスチック汚染を緩和できるのではないかと期待されています。


微生物を活用した新薬の開発

 

 近年、自然界の微生物が作る天然物から多くの医薬品が誕生しています。というのも、これまでは微生物がもつ遺伝子の一部しか創薬に使えなかったが、ゲノム(全遺伝情報)解析の急速な進歩により微生物による創薬開発の可能性が高まったためです。

例えば、2018年には土壌微生物由来のMalacidinと名付けられた新種の抗生物質が誕生しました。Malacidinは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など、数種類の多剤耐性病原菌に殺菌作用があります。  日本においても今年6月、山梨大学と北里大学が連携し、微生物活用の創薬研究へ新組織を立ち上げ注目を浴びています。北里大学微生物資源研究センターの 野中准教授によると「日本は微生物の宝庫」であると言います。その理由は、日本には四季があるため、季節ごとに異なる種の植物や昆虫、それらに共生する菌類が出現するためです。更に、梅雨と秋雨の時期が存在するため、土壌中の微生物ですら同じ地域であっても季節によって出現する種が異なると言います。



土壌菌を活用した衛生管理:洗浄剤・消臭剤

 

 コロナ禍という状況を経て、衛生管理の重要性が増し、大量の化学薬品が使用されるようになりました。化学薬品の大量使用は、環境への害だけでなく、多剤耐性病菌を生み出しています。その上、化学薬品は、人間の健康にプラスに働く微生物、俗に言う善玉菌までも除去してしまっています。善玉菌というと、食品を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は善玉菌は、生活環境にも存在しているのです。

 かといって、除菌や消毒をしないわけには行きません。そこで、人間に害のある微生物だけを除去する画期的な方法として開発されたのが、善玉菌を高濃度に含んだ洗浄剤及び消臭剤です。先にご紹介したプラスチックを分解する微生物と同じ仲間である土壌菌のバチルス善玉菌が高濃度で含まれています。仮眠状態で保存されたバチルス善玉菌が清掃対象物に触れることで目覚め代謝を開始。活動を始めたバチルス善玉菌は、分解酵素を生成して汚れを分解しながら消費します。



 しかもバチルス善玉菌は、悪玉菌のエサを消費するので悪玉菌が結果的に繁殖しにくくなり、継続して清掃することで、住環境において善玉菌優位のフローラが形成されます。

 バチルス善玉菌を含んだ洗浄剤・消臭剤は、『ヘルスケア・バイオテクノロジー・バレー』の確立に力を入れるベルギーで誕生しました。欧州の病院や公共交通機関でも、取り入れられ既に多くの効果が確認されています。  バチルス善玉菌を使った衛生管理に興味のある方は、是非お気軽にお問合せください。




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